30年間活動を続けた兵庫県立近代美術館を発展的に継承する兵庫県立美術館 (愛称「芸術の館」)が2002年4月、安藤忠雄の新しい建物でオープンします。本展は、この新しい美術館の開館を記念する最初の展覧会です。
日本に「美術館」という建物ができたのは、およそ120年前、しかしそれは博覧会の仮設の展示会場でした。今では日本各地で多くの美術館が活動していますが、この状況は近年のことにすぎません。
20世紀を通じて美術館への期待が様々に語られ、人々はそれを構想し、実現しようとしました。本展は、それぞれの時代に「美術館」が担った夢と希望、また果たした役割を振り返ろうとするものです。
美術館をめぐる歴史的に重要な事象をたどりながら、近現代美術の作品や資料約250点と関連する資料写真約150点を紹介します。日本最初の美術館から画期的な現代美術展まで、重要な展覧会を当時の代表作によって再現し、美術館設立に向けて集められた著名なコレクションの名品を展示します。また実現しなかった美術館構想をコンピュータ・グラフィックスによる映像や模型によって紹介します。21世紀を迎えて開館する美術館が、美術館自体の歴史を振り返り、将来の美術館像を考える、またとない機会として本展を開催します。