偉大な芸術の国、メキシコはマヤ、アステカ文明などの古代遺跡があり、さらに20世紀に入ると、メキシコ革命のもとでディエゴ・リベラ、シケイロス、オロスコといった芸術家が中心となり、絵画芸術を民衆に開放するため、壁画運動・版画運動(メキシコ・ルネサンス)が起こりました。
竹田鎭三郎(1935年~)が、革命芸術に憧れて1963年に渡航してから半世紀が経ちました。先住民を訪ね歩き、祭りや日常生活をテーマに制作してきた氏は、1979年より先住民文化が豊かな南部オアハカに移住し、オアハカ大学の美術教師として教え子たちと共に暮らしています。
メキシコの地に暮らす人々を鮮やかな色彩とボリュームあるフォルムで生き生きと描いた氏の絵画世界は、神秘的で郷愁を誘い「自然と一体となって、神と共存する世界」を鮮やかに表現しています。
本展覧会では、竹田鎭三郎の作品を中心に、メキシコ・ルネサンスや氏の教え子である現代作家たちの作品を含めて、メキシコ芸術を一堂に紹介します。