彫刻家 朝倉文夫―彼が生まれ育った大分県旧朝地町池田(現豊後大野市)には、豊かな水が流れる田園風景が広がります。この場所には朝倉の原点を見出すことができます。一方、東京都台東区谷中は、1902年、19歳で郷里を離れ上京したときから晩年にいたるまで、生涯離れることのなかった土地です。ここには、朝倉のその後の人生が刻まれているといってよいでしょう。
本展では、朝倉文夫のの生地である「朝地」と、上京してから亡くなるまで離れることのなかった「谷中」というふたつの場に焦点をあてながら、ゆかりの作品や土地にまつわるエピソードを通し、朝倉の自然観や美意識の源泉に迫ります。