ファッションの歴史を紐解いてみれば、次の時代の定番ともなるスタイルがひろく普及する前に、それを先取りするような不思議で奇妙ともいえる装いが現れていることがわかります。たとえば、女性のパンツスタイルは、19世紀末までは異様で、タブーですらありましたし、トップレスの水着などは、発表された当時はもちろん、今であっても奇抜といえるものでしょう。
ここでは、当館の収蔵品から、それを目にした同時代の人にとっては不思議なスタイルとして認識されたであろう作例をいくつかご紹介します。それが着られた当時に思いを馳せてご覧ください。併せて、ファッションが本来的にもつ移ろいやすさと、それゆえの自由さも感じていただければ幸いです。