迫力満点のゾウ、キリン、ジャガーからイヌまで。これらは全て樟 (くすのき) の丸太から彫り出された彫刻です。その身体の表面にはゴツゴツとした鑿跡と油絵具の彩色。ほんのりと木の香りをまとって私たちの前に現れた動物たちは、一見親しみやすく、でも少し不思議な表情を見せます。
作者はいま最も注目されいる彫刻家の一人、三沢厚彦(1961年京都府生まれ、神奈川県在住)。彼は2000年から動物をモチーフとした木彫シリーズ「Animals」の制作を始め、翌年には日本の彫刻界を代表する平櫛田中賞を受賞。生き生きとした生命力を感じさせるその独特な存在感から、「Animals」は多くの人々を魅了してきました。
この秋、岩手県立美術館に三沢の動物たちが大集合します。等身大の彫刻約60点を中心に、絵画や、シリーズが始まる前に制作された作品、また作家のアトリエを再現したコーナーまで、一堂に展示する東北初の個展です。この機会に独創的な三沢厚彦の作品世界をお楽しみください。