ルオーの版画集『ミセレーレ』58点、シャーンの版画集『一行の詩のためには…:リルケ「マルテの手記」より』24点、それぞれを全点展示!
ベン・シャーンとジョルジュ・ルオー。およそひと世代をことにする二人の画家は、シャーンはニューヨーク、ルオーはパリを中心に活動し、その画業や人生に直接の交わりはありません。しかしこの二人には、輪郭や線、黒という色を大切にし、絵画や版画での制作からデザインにもその仕事が及んでいること、職人の世界を経験しながら美術学校に学んだこと、などいくつかの共通点が認められます。また、何よりも、表現の仕方は違っても、二人は、20世紀という困難な時代に抗して、作品の底に深いヒューマニズムと喜びを宿し、その前に立つ私たちに、静かに、しかし大きな力で訴えかけてくるのです。
今回は、ルオーの版画集「ミセレーレ」とシャーンの版画集「一行の詩のためには…:リルケ『マルテの手記』より」の二つの版画集を全点展示し、さらに各々いくつかの作品を加えてご紹介します。