ディズニーランドなど19世紀発祥の機械仕掛けの遊園地は21世紀のハイテク社会においても圧倒的な根強い人気をもっています。
小山市出身で世界的に活躍するタムラサトル(1972年生まれ)は、機械仕掛けの文字や釣竿、旗竿、電気の接点など摩訶不思議な道具を美術として提示します。そのことによって、老若男女の常識を反転させながら、美術が私たちの身近にあることを理解させようとするのです。すなわち、タムラサトルは絵画でも彫刻でも写真でも版画でもない作品を美術に変換させる、と同時に自動車でも照明でもない無用の道具をも美術に変換させながら美術とは何かを問いかけ続けています。
この機能のない、役に立たない道具たちはすべて電気をエネルギーとしています。タムラサトルは私たちがもはや電気なしでは生きられない動物であることをユーモアとともに証明しようとしているのです。
この展覧会は、夏の風物詩である花火や遊園地や家電量販店のような楽しさを美術館に置き換えたタムラサトルのワンダーランドを家族や友人どうしで楽しみながら、栃木県美術の現在を世界に知らしめる一大スペクタクルとなるものです。