今日の作家に焦点をあてる展覧会の第2回として、作家の眼「高橋秀―気への形象」展を開催致します。
高橋秀は1930年広島県福山市に生まれました。19歳で画家を目指して上京、1961年第29回独立美術協会展で独立最優秀賞を受賞し会員に推挙され、引き続き安井賞を受賞するなど、31歳で栄光を手中にします。しかしこれに縛られるのをきらいイタリアへ留学、その後ローマでおよそ40年を過ごし、独自の表現確立へと向ったのでした。具象から抽象へ、モノクロからカラフルへ、フォルムの追求からエロスへ、そして日本の伝統的なモチーフを取り入れた作品へ―2004年帰国後は岡山県倉敷市の沙美海岸を拠点に、一層精力的な展開を見せています。
本展では、高橋秀の帰国以降、2013年発表の最近作を含む21点をはじめ、1970年頃から現在に至る約50点を紹介致します。これにより、現在進行形の作家の変遷を探るとともに、「気への形象」という視点から、作家の創造する優美繊細かつ気宇壮大な世界の全容に迫ります。