人間の奥深くに眠る野生の感覚を、視覚的に表現する小川泰生。その作品は、微生物や細胞を想起させる形であったり、植物的な形、動物の形と実に多様です。作品と向き合うことは、自分が自然界に存在する微小な生き物であることを確認する作業でもあり、近くで鳴く虫や足元の植物と同列に存在する動物である自分を感じる瞬間である、と彼は語ります。キャンドル製作の原料となるパラフィンワックスに封じ込められた有機的な造形と鮮やかな色彩は、作品の奥底に流れる血流のように暖かく柔らかい。そんな観る者に力強く語りかける小川泰生の世界観を、是非ご堪能下さい。