『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』など、数多くの童話や、「雨ニモマケズ」などの詩作で広く親しまれている宮沢賢治(1896-1933)。東日本大震災からの復興が進む今、再び賢治の作品が注目を集めています。
彼が生まれた年に起きた明治三陸地震、および亡くなる約2ヶ月前に起きた昭和三陸沖地震という二度の大きな震災により、岩手県に生まれた賢治にとってその生涯は、天災と凶作に悩まされたものでした。そんな苦しい世相の中で、賢治の心には、岩手県をイメージしたといわれるドリームランド、架空の理想郷イーハトーブがありました。イーハトーブを目指す独自の世界観で綴られた詩や物語は、世界中の人々に親しまれ、今日に至るまで多くの芸術家たちにさまざまな視覚的、聴覚的インスピレーションを与えています。
本展では、賢治が記した「雨ニモマケズ手帳」、賢治自身による水彩画や関連資料などにより、その実像を浮き彫りにしつつ、賢治作品に触発された後世の作家たちが描きあげた様々な絵本や挿絵の原画など約200点を展示し、没後80年経たいまでさえも、人々を魅了し続ける宮沢賢治の世界をご紹介します。
苦難の時代に希望の光を灯しながら創り出された宮沢賢治の世界を、ぜひご覧下さい。
直筆「雨ニモマケズ手帳」公開 2月22日[土]~3月7日[金]
「賢治の自筆水彩画」公開 3月31日[月]~4月13日[日]
※上記期間以外は、複製の展示となります。
資料提供 林風舎