金沢文庫は鎌倉幕府の重鎮・北条実時によって創設された、鎌倉時代の武家文庫です。実時の集めた蔵書は、子の顕時、孫の貞顕らによって継承され、内容も充実していきました。鎌倉幕府とともに金沢北条氏は滅び、金沢文庫も荒廃しましたが、蔵書の一部は称名寺の僧侶たちによって守り伝えられました。
今回の特別展では、国宝の金沢北条氏四代の肖像画をはじめ、金沢文庫に収集されたさまざまな蔵書や中世の武士や僧侶のくらしぶりを彷彿とさせる手紙類、唐物の名品として誉れ高い青磁壷、称名寺の最盛期の様子を伝える称名寺絵図や、講堂の本尊であった清凉寺式釈迦如来立像、金沢北条氏の仏教観をさぐることのできる稀少な仏教書などをよりすぐり、およそ60点展示いたします。
金沢北条氏の遺宝を今に伝える金沢文庫の名宝をご堪能ください。