下村観山(1873~1930)は2013年に生誕140年を迎えました。観山は幼少より幕末の狩野派・狩野芳崖と橋本雅邦に師事し、東京美術学校(現、東京芸術大学)に第一期生として入学、岡倉天心に最も愛された画家として日本画の近代化を目指します。卒業後、日本美術院の創設に参加、その後、日本画家初の官費留学生としてイギリスに渡り、水彩画研究や洋画の模写を行うなど、幅広く日本画の可能性を追求していきました。
優れた作品を遺しながらも、横山大観、菱田春草の陰に隠れ、三番目に語られることの多い下村観山。本展は、東京美術学校時代から晩年までの観山作品を概観しながら、画稿や絵画用具など観山像に迫る初公開の資料も展示します。