兵庫陶芸美術館は平成17年10月に開館し、縄文土器から現代陶芸まで、幅広い時代・分野の作品を1700点余り収蔵しています。収蔵品は、平成8年度に財団法人兵庫県陶芸館から寄贈を受けた835点のコレクションを母胎としています。このコレクションは、丹波焼をはじめとする県内産古陶磁器を中心とし、「田中寛(たなかかん)コレクション」として、現在も当館の収蔵品の中核をなすコレクションです。
開館後も、美術館の生命ともいえるコレクションの充実をめざし、収集活動を展開しています。また、「田中寛コレクションと現代の陶芸」(平成17年度)をはじめとする収蔵コレクションを中心とした展覧会を順次開催し、その公開に努めています。
近年に収集した古陶磁をみると、日本六古窯の一つに数えられる丹波焼や、近世後期に勃興し、県内各地の窯場で作られた多彩で色鮮やかな「やきもの」が多数を占めています。
本展覧会では、平成23、24年度に新たに収蔵した初公開の作品を通して、丹波焼の時代を追った多彩な展開と、近世後期に誕生した個性溢れる県内各地の窯場の魅力を探り、併せて、当館の収集の軌跡をご覧いただきます。