光のアーティスト高橋匡太が、豊田市美術館の屋外空間を舞台に大規模なライティング・プロジェクションに挑みます。
豊田市美術館の大きな人工池がひろがる彫刻テラスで、LEDライトを数台持ち込んで光の実験をしたときに色々な発見がありました。たとえば、この建物の外観の大きな特徴である水平と垂直のルーバーは、水面の反射をきちんと受けとめるように設計されていること。また、彫刻テラスに設置されているダニエル・ビュレンの鏡の作品に偶然LEDのライトがあたった際、その反射が建物全体に、思わぬところに出たりする面白さです。
光を用いてこの美術館独特の面構成をしっかり出すのと同時に、こうした反射の不思議な効果をうまく活かしてやると、豊田市美術館の持っている「別の」側面を浮かび上がらせ、この建物でないとできないことが創っていけるのではないか。現在の実感としては、そのあたりをテーマにしながら構成していくつもりです。単に建築のスタティックなイメージを強調するだけではなく、光のダイナミックな効果を使いながら、ランドスケープのエッセンスのようなものを引き出していく、そんなインスタレーションになればと思っています。 ― 高橋匡太