ガラス工芸が古くから根づくイタリア、ヴェネチア。溶解炉の前で溶けたガラスと格闘する伝統的なガラス作りが今日まで続き、柔らかなガラスの動きをいかした曲線的で伸びやかな造形、装飾は、ヴェネチアン・グラスの特徴と言えます。
このたび、日本の著名な画家10人がデザインし、ヴェネチアのガラス職人たちが制作したガラス作品を、その原画とともにご紹介する展覧会を開催します。
画家とガラス職人のコラボレーションは、1994年、日動画廊の企画から実現したもので、ヴェネチアのムラノ島にあるガラス工房、ピノッチオ・アート・イン・グラス (Pinocchio Art in Glass) で制作がおこなわれました。
制作現場では、画家と職人の間で意見が異なることもありましたが、職人たちは画家が提示する斬新なアイディアに刺激を受け、画家は職人たちの巧みな技、ガラス素材の可塑性 (かそせい) と色彩に魅せられました。
本展では、画家の発想に職人の技が加わり完成したユニークなガラス作品24点のほか、その原画9点と画家たちの絵画10点をご紹介します。ガラスと絵画が生みだす創造の世界をご覧ください。