旭川市彫刻美術館は、中原悌二郎(1888~1921)の業績を顕彰する美術館として開設され、中原悌二郎の現存する彫刻12点を収蔵・展示し、また、資料等の収集にあたってきました。
中原悌二郎は、32歳という若さで亡くなったため、残された資料は少なく、没後開催された遺作展での素描類は長い間所在不明のままでしたが、昨年、井原市立田中美術館に寄贈され、展覧会が開催されました。
これらの素描は、中原悌二郎の芸術を知るうえで第一級のもので、青年期に画家を目指した中原の絵画における力量を知る大変重要なものです。特に、人物の顔を描いた素描は、鋭い観察力と的確な描写力を知ることができ、こうしたデッサン力により、1914(大正3)年に描いた肖像画を短期間に仕上げることが可能であったことを裏付けるものといえます。さらに、立体の把握、量塊の表現について、彫刻家としてのすぐれた資質をみることができます。
本展では、井原市田中美術館の御協力を得て、こうした素描を中心に彫刻や油彩画も交え、中原悌二郎の芸術の貴重な一端を紹介します。
■会期
・Ⅰ期:2002年4月20日(土)~2002年5月19日(日)
・Ⅱ期:2002年5月25日(土)~2002年6月30日(日)
■出品作品
Ⅰ期・Ⅱ期計 素描 58点、彫刻・油彩画 数点