旺盛な好奇心と豊かな想像力によって、ユニークかつ斬新な作品を生み出す画家・安野光雅さん(1926-)。島根県津和野町に生まれた安野さんは、幼い頃より画家を志し、終戦後、山口師範学校研究科修了後に美術教師として上京します。教師を勤めるかたわら、本の装丁や教科書編集の仕事を手掛けるとともに、画家としても精力的な活動をみせます。1968年に初めての絵本『ふしぎなえ』を出版し、絵本作家としてデビューすると、それ以後も独創的な絵本を数多く発表し、子どもから大人まで広く親しまれます。また安野さんの作品は、世界各国で出版されるなど、国際的にも高い評価を得ています。
本展覧会では、絵本作家として、画家として、装丁家として、さまざまな仕事の顔を見せる安野さんの魅力を津和野町立安野光雄美術館が所蔵する作品によりご紹介します。
今回の展覧会では、絵本作家としての仕事から福音館書店より発刊された『ふしぎなえ』、『もりのえほん』、『旅の絵本Ⅷ』。装丁家としての仕事から筑摩書房の全集『文学の絵本』、『ちくま文学の森』。画家としての仕事からTV番組「NHK趣味百科」で放送された『風景画を描く』の6作品120点をご覧いただきます。
安野光雅さんの精緻な描写と柔らかな色彩、そして遊び心あふれる作品の数々をお楽しみください。