子供達の絵は常識や形式にとらわれず、自由闊達で生き生きとした想像力に溢れ、しばしば私達大人を驚かせます。本展では、世界40ヶ国の子供達が描いたそのような感性豊かな150点の絵画を紹介します。先入観や固定観念を捨ててそれらに接した時、小さな天才達の絵画は私達に何をもたらすでしょうか。大人達が常識や規則や習慣等で見えなくなり、忘れてしまった想像力の源泉を垣間見せてくれるでしょう。
同時に、本展では会期中に数回のワークショップを開催し、市内の小学生達がこども学芸隊を編成してミニ展覧会を作るという、参加型の展覧会でもあります。従って本展の展示構成は、ワークショップごとに次々と変化してゆきます。子供達には、美術館と展覧会、さらには美術そのものをより身近なものとして親しめるよい機会になると思います。加えて、子供達が各国の子供達の絵を基に企画したミニ展覧会からは、創作とはまた違う子供達の創造性を見出すこともできるでしょう。
このように子供達がワークショップの名かで各国の子供達の絵を通して様々な作業を行うということは、ある意味で「絵を通しての国際交流」ともいえます。さいたま市が会場の一つとなっているサッカーのワールドカップは、一面で「サッカーを通しての国際交流」の側面も併せ持っています。大会期間中に開催される本展にも、ワールドカップ参加32ヶ国のうち17ヶ国の子供達の絵が含まれています。これらを通じ、「絵を通しての子供達の国際交流」を図りたいと願うものです。