秋山庄太郎(1920~2003)は1990年代、写真家人生の総決算として「花365日」と題するシリーズ作品に取り組み、それぞれ365点で構成された六つの作品群を発表しました。その第2作目が、1992年発表の「花―365日 いちごいちえ」。ライフワーク「花」を中心に、「風景」「スナップ」「抽象」など即興的な作品が随所に配されています。秋山の晩年を彩るこの一大絵巻ともいえる大作を、今春から来春にかけて、3期にわたってご紹介します。
今回の第1期は、福島県花見山公園の「春の花木」、最愛の花「薔薇」、造形美的に捉えた「チューリップ」、隅田川の「花火」など、主に春から夏にかけての花や風物詩的作品を展示。日々の一期一会を愉しむ写真家の境地をご覧いただきます。