- タイトル等
- 会場
- 国立国際美術館
- 会期
- 2014-02-01~2014-05-11
- 休催日
- 毎週月曜日(ただし4月28日、5月5日は開館)
- 開催時間
- 10:00~17:00
金曜日は19:00まで(入場は閉館の30分前まで)
- 観覧料
- 個人:一般420円/大学生130円 団体:一般210円/大学生70円
*2014年4月以降の観覧料は変更になる可能性があります *団体は20名以上
*高校生以下、18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方とその付添者1名は無料
(証明できるものをご提示いただく場合があります)
*本料金で「コレクション4 現代美術100年の実り」もご覧いただけます
無料観覧日:2月1日(土)、3月1日(土)、4月5日(土)、5月3日(土・祝)
- 主催者
- 国立国際美術館
- 協賛・協力等
- 協賛=ダイキン工業現代美術振興財団
- 概要
「クワッ、クワッ(Kwak.Kwak)」と鳴きながら、ヨタヨタ地面を歩くアヒル(Duck)。おぼつかない足取りは、愛嬌 (あいきょう) があるのにどこか悲しげで、にもかかわらず、この世界を何か飄々 (ひょうひょう) と渡り歩いているようにも見えます。郭徳俊 (かくとくしゅん) は、しばしばこのアヒルの姿に、自身の存在と生き様を重ね合わせます。それはアヒルが、期せずして“Kwak Duck-Jun”という名前を背負うこととなった、この作家の宿命を象徴する生き物だからです。
1937年、京都に生まれた郭徳俊は、1960年代から今日まで半世紀近くにわたって、現代美術の分野で極めてユニークで実験的な創作活動を展開してきた作家です。その創作領域は、絵画から写真、版画、パフォーマンス、そして映像と多岐に及び、特に1974年に始まり今も続く《大統領シリーズ》は、雑誌の表紙を飾った歴代アメリカ大統領の顔と自身の顔を半々ずつ、つなぎ合わせるという独創性から、彼の代表作として広く知られることとなりました。
しかし同時に、これらの作品には、郭徳俊という人間の断絶されたアイデンティティが投影されているのです。それは、戦前に日本人として生まれながら、1952年のサンフランシスコ講和条約の発効によって、在日韓国人として日本で生きることを余儀なくされるという、歴史に翻弄される個人の姿であり、政治や社会の不条理を自らの内に抱え込まねばならなかった、歪 (ゆが) んだ自画像でもあったのです。
さて、本展では、当館ならびに作家所蔵の作品の中から、郭徳俊の芸術家としての出発点となった1960年代の絵画作品に焦点を当てて紹介します。20代の始めに結核を患 (わずら) い、肺を切除した後、3年もの療養生活を送った彼が、自らの死を意識しながら、生きる「よすが」に選んだのが絵を描くことでした。石膏と胡粉 (ごふん) で盛り上げた、まるで岩のように頑強な絵肌を持つこれらの作品を通して、若き郭徳俊は何を思い、何を見つめていたのでしょう。あるいは、ナンセンスな現実と直面する虚無感を、「ニコッとシェー」と笑い飛ばしてみせたのでしょうか。その真意と郭徳俊の絵画世界に、この機会にぜひ触れてみてください。
- イベント情報
- ◎郭徳俊氏による記念講演会「私の歩んできた道」
日時:2014年2月22日(土) 午後2時から
場所:当館地下1階講堂
◎講演会「郭徳俊の芸術世界」
講師:安來正博 (当館主任研究員)
日時:2014年4月12日(土) 午後2時から
場所:当館地下1階講堂
*いずれも定員130名、参加無料 *当日午前10時から整理券を配布します