日本を代表する洋画家梅原龍三郎。本展はこれまで開催された展覧会とは異なり、梅原芸術の成り立ちを立体的に解き明かし、その神髄に迫る初めての試みです。巨匠ルノワールに師事した梅原は、豊かな色彩、豪快で自由奔放な作風で華麗な日本的油絵を確立しました。その作品のみならず、アトリエに残された数々の愛蔵品は画家の美意識と創作の秘密を伝えています。
梅原が最も好んだ題材「花」「人物」「風景」の初期から晩年までの傑作が展示されるほか、それぞれの作品に描かれたマジョリカ、李朝などの壷や人物の背景となったテキスタイルが公開されます。また、アトリエを再現し、絶筆となった《浅間山》とともに、実際に用いたイーゼル、パレットや筆で製作のプロセスを明らかにします。強い影響を受けたルノワールや生涯を通じて親しく交わった岸田劉生、武者小路実篤、木下利玄、富本憲吉、バーナード・リーチや志賀直哉など『白樺』の同人たちとの交流を物語る秘蔵の絵画や工芸品、書も特別出品されます。梅原龍三郎のアトリエへお越し下さい。