細見博子は、金属やガラスを使って独特の造形作品として表現していく作家です。作品のモチーフになるものは一貫して柔らかい自然界の動植物。それらは細見の手によって錫合金やガラスといった硬質な素材のものでデフォルメされることで、見る人にイマジネーションを広げ、新しい解釈と物語性をもって語りかけてきます。本展では、ギャラリー空間だけでなく、エントランスホール、喫茶室、廊下などあらゆる場所を一つの展示空間として捉え、空間全体を物語として解釈できるように作品化したインスタレーション展示になります。見る人の視点によってそれぞれの視点で物語をつくっていける楽しさと安心感とが共存している細見作品の世界観を存分にお楽しみ下さい。