広島市現代美術館では開館以来、若手作家の育成と、現代美術の新しい動向の紹介を目的として、ミュージアムスタジオでの小企画展を開催してきました。今回は、昨年話題となった横浜トリエンナーレにも出品していた、篠田太郎の個展を開催します。
篠田太郎(1964年生まれ)は、フィロソフィック・エンジニアを自ら名乗りながら、表面上は非常にクールで、一見、器械そのものでしかないようにも見える作品を発表してきました。その作品に一貫してあるのは、人間存在とその進化への関心です。
本展では、新作「ゴッドハンド」と、作家が近年取り組んでいる「パーソナル・サテライト・プロジェクト(PSP)」を併せて展示します。
「ゴッドハンド」は、直径約8メートルの回転体が高速で旋回運動をする作品で、作品の作動(あるいは作品への参加)が人間の感覚にどのような影響を及ぼすかといったことへの関心に基づいて構想されたものです。展覧会では、「ゴッドハンド」の制作ドキュメンタリービデオとともに展示・紹介します。
「パーソナル・サテライト・プロジェクト」は、篠田太郎個人がロケットを開発し、日本上空に静止衛星を打ち上げ、さらに白鳥座の惑星に向けて探査衛星を打ち上げようとするもので、継続的に進行しているプロジェクトです。ビデオや衛星の模型などによって、プロジェクトの模様を紹介します。
展覧会初日には、作家によるギャラリートークも開催します(日時:2月23日(土)13:30~)。