碧南出身の戦国武将・大名に永井直勝(1563-1625)がいます。直勝は大浜の長田(おさだ)平右衛門重元の子として生まれ、初め徳川信康の、のち徳川家康の小姓となります。直勝が一躍脚光を浴びることになったのが、天正12年(1584)の長久手合戦です。ここで敵の大将池田恒興(つねおき)の首を討つという大手柄をたてました。その後、家康の側近として仕え、下総古河(しもうさこが)7万2,000石の城主となり大名となりました。
直勝の子には江戸時代初期に幕府における畿内支配の一翼を担った尚政(なおまさ)・直清(なおきよ)兄弟がおり、またその子孫は大和櫛羅藩(くじらはん)・美濃加納藩・摂津高槻藩といった大名などとして明治維新を迎えました。さらに、近現代に活躍した永井荷風・高見順・三島由紀夫といった作家も、永井家の一族であることが知られています。
そこで本展では、碧南出身の永井直勝に焦点をあて、多様な歴史資料から永井直勝とその一族の実像に迫ります。碧南の地に永井直勝という戦国武将・大名がいたことや、厳しい時代を生き抜いてきた永井家一族の変遷をごらんいただければ幸いです。