19世紀後半から20世紀にかけてのヨーロッパでは、経済的な発展を背景に華やかな消費文化・都市文化が花開きました。人々は、酒やタバコといった嗜好品を買い求め、劇場や酒場に集い、鉄道や自動車を利用して旅行を楽しむようになります。
こうした商品や娯楽を宣伝するために当時盛んに作られたのが、大判多色刷りのリトグラフ・ポスターでした。シェレやミュシャ、カピエッロやカッサンドルら幾多の作家たちが、時代の流行を取り込み、レイアウトや文字に工夫を凝らして、個性豊かなポスターを生み出していきます。街頭に貼り出されたこれらのポスターは、街の賑わいを演出し、人々の生活に華やぎを添えました。
“ベル・エポック=古き良き時代”のヨーロッパの街角を彩ったポスター作品の数々を、北海道立帯広美術館の所蔵作品から選りすぐってご紹介します。