文化勲章は1937年(昭和12年)、当時の内閣総理大臣であった広田弘毅の発案により制定されました。
1951年(昭和26年)には文化功労者顕彰制度が制定され、これらの制度は現在もなお日本独自の芸術と文化の発展において重要な役割を果たしています。
第一回文化勲章受章者の横山大観は、近代日本画の巨匠として知られており、朦朧体という没線描法を考案し、独自の画風を築きあげるとともに、時代や自身の心境の変化を色彩豊かに表現しました。また、大観とともに受章をした藤島武二は、洋画の巨匠として知られており、後進の育成に力を注ぐ傍ら、ヨーロッパのロマン主義の作風を取り入れ、多くの作品を力強い筆致で表現しました。時代の最先端を独走した先人たちは、日本美術発展の原動力となりました。
本展では、日本美術を牽引してきた作家たちの中から、我が国の芸術分野における最高の栄誉とされている文化勲章受章者並びに文化功労者の作品を一挙にご紹介いたします。自己の芸術を確立した巨匠たちの作品を通じて、その偉大な業績と日本美術の足跡を回顧していただければ幸いです。