今泉今右衛門(いまいずみいまえもん)家は、江戸時代に佐賀・鍋島藩で発展した色絵磁器である色鍋島の絵付を継承してきた陶家です。鍋島藩の藩窯で代々御用赤絵師を務め、藩窯が廃止された後は、絵付だけではなく素地から窯焼まで全工程に取り組み、高度に様式化された、気品と創造性に溢れる色鍋島の意匠を現代に伝えてきました。
十三代今右衛門(1926~2001)は、伝統に立脚しながらも、「吹墨」「薄墨」の技法を確立し、独自の文様表現に挑み、色鍋島に現代性を打ち出しました。
十四代(1962~)は、今右衛門を襲名して10年、白化粧を用いる「雪花墨はじき」の技法や、新たな上絵技法「プラチナ彩」など、伝統に自らの創意を加え、現代色鍋島を貪欲に追求しています。
十四代の作品を中心に襲名後10年の軌跡を辿るとともに、十三代の代表作を合わせ、現代色鍋島の粋をご紹介いたします。