日本各地に残る、昔ながらの暮らしの風景を描き続ける原田泰治。四季折々の自然や民家とともに、人々の暮らしを支えてきた様々な乗物も数多く登場します。中でも多いのは「電車」。それも、山や谷の中を走るローカル線です。原田氏は、一両か二両くらいでカタコト走る赤や黄色のかわいい電車が大好きなんだ、といいます。
「小さい頃はさ、お金がなかったから電車なんて乗れなかったんだよ。飯田線の切石の駅によく見に行ったなあ。電車が着くと、なんだか都会の匂いを運んでくるような気がしてあこがれた。」
この展覧会では「ローカル線と電車」をテーマに、作品を展示します。小さかった頃の家族旅行や、初めてひとりで乗った電車の旅など。みなさんの懐かしい思い出を重ねながら、お楽しみください。