古経楼・五島慶太(一八八二―一九五九)は
昭和二十四年(一九四九)に大東急記念文庫を開設し
さらに昭和三十五年(一九六〇)に開館する
五島美術館の礎を築いた。
慶太翁が没してから半世紀を経た今
開館当初の外観をそのままに
新たに生まれかわった展示施設で
五島美術館と大東急記念文庫が所蔵する
日本と東洋の名品を四部に分けて時代別に展示し
あらためて五島慶太の美の遍歴をたどる。
中国の歴史の重みを伝える玉器や鏡鑑。日本の禅宗に大きな影響を与えた宋・元の墨跡。憧憬の対象であり宝物であった唐絵や中国陶磁器。朝鮮半島との交流の深さを物語る馬具や高麗茶碗。素朴な美しさで人々を惹きつけて止まない朝鮮王朝の陶器。この他、宋・金・高麗の版経や儒学者・王陽明の書など稀覯の作品を展示します。