もっとも身近な生活道具のひとつである椅子。それは大量生産の工業製品・商品であると同時に、デザイナーの創意が込められた造形作品でもあります。富山県立近代美術館ではこれまで、椅子のデザインを通して20世紀のデザイン史を概観すべく、収集・展示活動を行ってきました。また、当館収蔵の美術作品の中には、デザインの分野とゆかりの深い作品も少なくありません。本展では椅子コレクションを通して20世紀デザインの歴史をたどると同時に、美術作品とともに紹介することで、アートとデザインの関連から20世紀デザインの展開に迫ります。さらに、一部の展示作品には実際に座ることができますので、見て、触れて、座って、さまざまな角度から椅子のデザインの魅力を発見していただければと思います。