1964年8月新潟県長岡市に、国内で初めて「現代」と銘打った長岡現代美術館が開館しました。現代美術に特化した活動は現在でも高い評価を得ています。
この美術館の活動に触発されるように、1967年l0月に前衛美術家集団GUN(ガン)が誕生します。
「GUNは若い新しいエネルギーの結集をもって、ここに誕生する。我々は既成のあらゆる思想、観念に挑戦し新しい断面をあばいていく。同時に常に変革すべく活動体でありたい」と宣言し、美術活動をスタートさせます。以降、機関誌の発行、展覧会やシンポジウムの企画、ハプニングなどを積極的に行いました。特に1970年冬に新潟県十日町で行われた《雪のイメージを変えるイベント》でのドキュメント画像は『アサヒグラフ』や『芸術生活』で紹介され、全国的に知られるようになりました。本イベントは、米国のJ・ポール・ゲティ美術館で開催された「芸術・反芸術・非芸術」展でも再評価されています。しかし、GUNは、正式な解散宣言はなされていないものの、1975年を最後に組織的な活動を終えることになりました。
本展覧会では、GUN結成以前の前衛美術集団誕生に向けた気運の高まりをみせていく時代から、GUN結成と収束、そしてその後の時代までを、当時のオリジナル作品や再制作作品、資料を中心に紹介します。
1960年から1970年代にかけて、日本全国で同時多発的に発生した様々な前衛美術運動が、決してその地方だけに終始するものではなく、日本全体の前衛美術活動の一端を担うとともに、その活動が明確に「現代美術」として共有され、認識されていた時代であることを知る良い機会となるでしょう。