「虹の画家」として知られる靉嘔(あいおう)(1931年茨城県生まれ)は、デモクラート美術家協会で活躍した後、1958年からニューヨークに暮らし、「フルクサス」の活動にも参加しました。靉嘔は絵画・版画などの平面作品にとどまらず、インスタレーション作品や触ることのできる体験型の作品などを制作しつづけていますが、その姿勢は一貫しています。虹のシリーズとして知られる一連の作品は、自身の感情や主観を排除し、赤から紫までの色を虹の順番どおりに用いるという一つのルールに基づいて、既存のポピュラーなイメージや物に虹を重ね合わせています。
本展は、靉嘔の新潟で初めての大規模な個展となります。初期の油彩から渡米後のフルクサスでの活動、そして、すべてに虹の色を重ねるシリーズの展開や観客参加型の作品、新作まで包括的に紹介し、靉嘔の全貌に迫ります。