このたび華鴒大塚美術館では、近代日本画壇を代表する花鳥画家として知られる金島桂華の生誕120年を記念し、彼の画業を紹介する特別企画展「金島桂華 生誕120年記念」を開催いたします。
金島桂華(本名・金島政太)は、明治25(1892)年に広島県神辺町に生まれ、19歳のときに京都画壇の巨匠・竹内栖鳳の門に入り、徹底した写生と厳しい自然観照をもとに院体風の清雅な品格を加え、近代日本画壇のなかでも特に端正なフォルムを基調にした厳格な花鳥画世界を確立しました。
本展では、当館の300点を超す金島桂華作品の中から、四条派の流麗さと中国宋元期の院体風の精密さをあわせもつ初期作品から装飾性を加えた明快な画面へと変化を見せる晩年までの日本画作品と、創作の原点とも言える素描をあわせて展示し、金島桂華の70年近くにおよぶ画業を顧みます。「一点、一筆、一彩」、ひたすら天地自然の神秘なる生命の実相に肉薄しようとひた押しに写生に取り組んだ桂華芸術の真髄に触れていただければと思います。