20世紀を代表する陶芸家・濱田庄司(1894~1978)。濱田は東京高等工業学校(現東京工業大学)窯業科を卒業後、京都市陶磁器試験場で主に釉薬の研究に従事しました。26歳の時にバーナード・リーチの誘いで渡英、セント・アイヴスで本格的な作陶を開始し、帰国後は栃木県益子に拠点を置き独自の作陶活動を展開しました。民藝運動の中心的存在でもあった濱田は、自らも生活に根ざしたやきものづくりに生涯をかけ、1955年(S30)には第1回重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定、1968年(S43)には文化勲章を受章しています。
大阪市立東洋陶磁美術館には、濱田の人と作品に深く魅せられた故・堀尾幹雄氏が長年にわたって蒐集(しゅうしゅう)した200点を超える濱田作品が寄贈されており、日本有数のコレクションとして知られています。使い手を意識しながらも高い創造性をあわせ持ち、大胆で力強い作品を数多く生み出した濱田の手仕事の軌跡、そして半世紀以上におよぶ堀尾氏の蒐集の軌跡から、濱田の作品、人物の魅力に迫ります。