2009年79歳で亡くなった、日本画の大家平山郁夫。仏教や風景を主題とした作品を描き、国内外で活躍しました。本展覧会では佐川美術館のコレクションから、代表作の「大唐西域画」や「シルクロードシリーズ」などの作品を、仏教が日本に伝来するまでの「仏教東漸の道」を意識した構成により、約70点展示します。
平山は郷里広島で15歳の時に被爆し、戦後、画壇で活躍をし始めた頃より後遺症に悩まされるようになります。以来、仏教を主題とした作品の制作を通じて、命を賭して仏教を伝えた歴史上の僧の姿に自身を重ね合わせるようになりました。その足跡を追うことは、やがて、東西文明の交流を担ったシルクロード各地への150回以上に及ぶ取材旅行、そして国際的な文化財保護活動へとつながっていきます。作品に描かれた数々の仏教遺跡や各地の風俗から、平山の旺盛な画業に思いを馳せていただきたいと思います。