資生堂ギャラリーでは、2012年6月23日(土)から8月12日(日)まで、日本を代表するグラフィックデザイナーの一人、仲條正義の個展を開催します。本展では、この展覧会のために制作した新作グラフィックを紹介します。
仲條正義は1933年東京生まれ。1956年東京藝術大学美術学部図案科卒業後、同年資生堂宣伝部に入社。 1959年㈱デスカ入社。1960年フリーとなり、以降、代表作とも言われる40年以上に亘った資生堂の『花椿』誌のアートディレクションのほか、ザ・ギンザ/タクティクスデザインのアートディレクション及びデザイン、資生堂パーラーのロゴタイプ及びパッケージデザイン、東京銀座資生堂ビルのロゴタイプ及びサイン計画(当ギャラリーのロゴタイプ含む)、松屋銀座、スパイラル、東京都現代美術館、細見美術館のCI計画、また最近ではNHKのテレビ番組「にほんごであそぼ」のカルタの絵、『暮らしの手帖』誌の表紙絵なども手がけ、グラフィックデザインを中心に活動してきました。
「グラフィックはきれいにつくるともたない」という独自のデザイン哲学をもち、「とことん突き詰めて作りながら、素直に完成した時はあえて壊してみる。壊れ方が新しいセンスになることもある」と語る仲條が生み出すデザインの数々は、常に斬新なアプローチを見せ、存在感を際立たせてきました。また、時代に対する鋭い感性をいかしたモダンでありながらアバンギャルドな毒をも持ち合わせたその独特な表現世界は、デザイン界でも異彩を放ち、若い世代にも大きな影響を与えています。
本展は、今年の『花椿』誌のリニューアルに伴い、そのアートディレクションを離れ、今後の展開が注目される中での個展開催になります。
今回の展覧会では、仲條ならではのロゴタイプ、シュールな風景、新作フォントを使用した作品など、最新作約30点をテーマ別に展示、また、屏風も制作し展示いたします。
本展のタイトル「忘れちゃってEASY思い出してCRAZY」は、言葉のユニークなセンスにも定評ある仲條語録から。
仲條らしさが空間いっぱいに広がる展覧会を是非お楽しみください。