生き物たちの息づかいが伝わってくるかのように描かれた細密な作品。2009年8月、98歳で惜しまれつつもこの世を去った細密画家・熊田千佳慕は、亡くなる直前まで虫や花を愛し描き続けました。戦前はデザイナーとして数々のデザインを手がけ、戦後は「ふしぎの国のアリス」や「オズの魔法つかい」「みつばちマーヤの冒険」などの挿絵を手がける絵本作家への道へと進みました。
細やかな筆づかいのリアルな画法、美しい色彩による表現力で次々と作品を発表。60歳の頃からライフワークとして描き続けた「ファーブル昆虫記の虫たち」シリーズは国際的にも高い評価を得ています。
本展では、花や虫、動物を愛し、虫たちと同じ目線になり「見て、見つめて、見きわめて」描かれた熊田千佳慕の原画作品を一堂に紹介いたします。