「気象」すなわち「空もよう」は、時間とともに刻々と変化します。また、地域や季節によっても特色が異なり、まさに千差万別です。太陽の「光」は地上を照らし、水蒸気となった水は上空で「雲」に、地表では「霧」となります。そして天から「雨」や「雪」となって降下し循環します。大気が動くと「風」が生じ、水は冷気によって「氷」となります。こうした自然の諸現象によって「気象」がかたちづくられるのです。
光、雲、霧、風、雨、雪などさまざまな「空もよう」は、自然や風景、さらには人々の暮らしをかたちづくってきました。そうした情景をモティーフとした美術家たちの作品は、造形的にも豊かな「色もよう」で彩られています。そこには彼らの感性、すなわち「心もよう」まで映し出されています。
本展では、北海道立近代美術館および当館が所蔵する約70点の油彩画、日本画、版画、写真、立体作品を中心に、美術家たちがとらえたさまざまな「気象」の様相を紹介します。