江戸時代、小川島を中心とした唐津地域では、毎年12月から4月にかけ、繁殖のために日本海を移動する鯨を、網と手投げの銛(もり)で捕える古式捕鯨が行われており、唐津地域の一大産業として成り立っていました。
今回のテーマ展示では、当館所蔵の『小川嶋鯨鯢(おがわしまげいげい)合戦(がっせん)』を中心に展示を行います。この『小川嶋鯨鯢合戦』は、天保11(1840)年に記されたもので、古式捕鯨で活躍した鯨組(くじらぐみ)「中尾組」の捕鯨の様子や、捕えた鯨を大勢の人々で盛大に供養している様子などが生き生きと描かれています。
このほか、当時実際に使用された捕鯨船の模型や漁具などを展示し、古式捕鯨の手法や捕鯨産業で賑わう地域の様子を御紹介します。
また、佐賀大学4年の石川真衣さん制作による海から出現したザトウクジラのオブジェ(高さ約3メートル)も展示します。
是非、多くの皆様の御来館をお待ちしています。