タイトル等
溫室計畫
会場
ラディウムーレントゲンヴェルケ
会期
2012-04-06~2012-04-28
休催日
日月祝日休廊
開催時間
12:00~20:00
概要
この度の展覧会では、台湾の若き画家、Yu Siuan(ユ・シュアン)をご紹介します。
ユ・シュアンは徹底的な写実を追求する中で、死や損傷をもたらすものに対する美をあらたに構築しようと試みています。
独特の感性で切り取られた物質は、作品の中で、まるでそのまま周りの空気とともに時を止めたかのように保存されています。このシリーズはそれゆえ「温室計画」と名付けられました。
作家の世界観と、それによって創りだされるリアリズム絵画を、ぜひ、この機会のご高覧賜りたくよろしくお願い申し上げます。


「溫室計畫」(温室計画)

中国語では「凄美」という凄惨な美しさを意味する言葉がある。
この言葉を見て私たちは、どのような感じ、どのような物語を思い起こすだろうか。
「悲惨さ」のみが残されている時、それでもなお私たちは「美しい」と感じるのだろうか。あるいは何か別の感性が立ち上がるのだろうか。

いやむしろ、美的価値を再定義することによって、現実的に存在する欠損、損傷、死というものをあらたな美として認識できるのではないかと作家のユ・シュアンは考えたのである。

よく知られているように、ルネ・マグリットはかつて、現実とヴィジュアルイメージの関係について議論を投げかけた。
同じようにユ・シュアンも「人は、真実を見ているのではない、見たいようにしか見ていないのである」と、感じている。そこには愛情、期待、活力など見る人それぞれによって価値が付け加えられているのである。
ユ・シュアンは写実という手法を続ける中で、現実と美の間に最適なバランスを保とうとしている。

ユは主観的な解釈、虚構、想像力を彼の写実絵画に取り込むことにより、作家独自の美意識を膨らませてきた。
そして自然がもたらした死、損傷に対する印象を、彼のリアリズム絵画によって再度作り直そうとしているのである。
そしてまた、彼は描くという過程の中で、いかに自然がその形をいかに創りだしているかを吟味してしてるのである。

このシリーズで、作家は物の形だけでなく、そこにある温度や湿度までも描こうとしている。それはまるで、その物がおかれている周囲の環境までを切り取り、そのままの状態で永久保存しようとしているかのようである。

これら朽ちかけた物は、作家の写実と感性を通して、彼の建てた"温室"の中で大切に保存されるのである。
イベント情報
☆オープニングパーティー:2012年4月6日(金)19:00~
ホームページ
http://www.roentgenwerke.com/03exhibitions/2012exhibitions/03.Yu_Siuan/1203Yu_Siuan_j.html
会場住所
〒103-0002
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
交通案内
各線浅草橋駅、
JR馬喰町駅より
徒歩5分
ホームページ
http://www.roentgenwerke.com/
会場問合せ先
mail:info@roentgenwerke.com
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
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