夢二郷土美術館の創設者であり、初代館長をつとめた松田基のコレクションより、竹久夢二(一八八四~一九三四)の名品と共に、初公開を含む北大路魯山人(一八八三~一九五九)の作品をご紹介します。
北大路魯山人は、書、篆刻、陶芸、絵画、漆芸など多岐にわたる分野を手がけましたが、その全てを用い「食」を総合的な芸術に高めました。いっぽう夢二は「生活美術」の理念を抱き、自ら企画・デザインした小物を商う店「港屋絵草紙店」を開店させています。
彼らの作品は、「衣」「食」「住」、すなわち人の暮らしに美を求めた意識のあらわれといえるのではないでしょうか。今回は、魯山人の書画・陶芸作品に加え、書の名品《「いろは」金屏風》[岡山後楽園蔵・展示期間十二月十一日(火)~二月十一日(月・祝)]を展示致します。夢二の手がけた封筒や千代紙、蔵書票など、身近な小芸術もご覧頂き、二人の思い描いた暮らしにおける美の形を探ります