土屋公雄(つちや・きみお)は、1955年福井県生まれの彫刻家、環境アーティストです。80年代半ばから発表を始め、流木や自然木を集積するプリミティヴで神話的な作品群を経て、90年代より家屋の廃材や灰を精緻かつ大胆に構成する表現へと展開しました。一貫して「所在」「記憶」「生-死」「時間」といった、根源的なテーマが探求されています。朝倉文夫賞、現代日本彫刻展大賞を受賞し、サンパウロビエンナーレに選出されるなど、日本を代表するアーティストとして活躍。世界各地より招待され、土地や人々の記憶を刻むパブリックアートも数多く手がけ、国内では丸ビルモニュメントや、東京空襲犠牲者追悼・平和モニュメント制作でも知られています。
本展では作家の円熟期をとらえ、福井の記憶や風土も盛り込みながら、これまでの集大成を、美術館全館を使い大規模な新作インスタレーションとして展開します。