江戸文化の形成を担っていたのが町人であり、その最たる成果が浮世絵と言えます。その時々の流行を絵にした浮世絵には、役者や町娘などのアイドルから四季折々の自然風物まで、時代の世相が色濃く反映されています。
本展は、浮世絵収集家として著名な中右瑛氏(国際浮世絵学会常任理事)の膨大なコレクションから、浮世絵が最も爛熟した江戸時代後期の絵師、東洲斎写楽、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重の四大スターを選び、彼らが粋を凝らした代表作約170点を厳選して紹介します。それぞれの絵師たちが織り成す個性的な表現もさることながら、江戸時代に花開いた浮世の世界、すなわち庶民の暮らし、文化や風俗もあわせてお楽しみください。