碧南市藤井達吉現代美術館では、このたび新収蔵品展を開催いたします。作品の継続的な収集は美術館にとって重要な活動のひとつです。平成23年度、当館においても購入、寄贈、寄託といった様々なかたちで新たな作品を収蔵することができました。
今回収蔵された作品の一部をご紹介すると、当地ゆかりの文人・山中信天翁の屏風や、その信天翁の孫にあたり、また愛知県立芸術大学の創設に尽力した伊藤廉の滞欧時に描かれた作品、フュウザン会を通じて若き日の藤井達吉と交流があった木村荘八の大正期の作品があげられます。中でも木村の作品は時代を象徴する重要な作品のひとつです。この他に、戦後の院展で横山大観賞を受賞するなど活躍し、後にヨーロッパに渡った女流画家・松田文子や、具象と抽象の溶け合った詩的な絵画世界で知られる山口薫の油彩画、市内の野外彫刻《碧と風の輪》の作者・国島征二の作品も寄贈され、本展にて展示いたします。
藤井達吉作品としては、大正期の日本画を含む重要な個人コレクションが寄託されることとなりました。これは開館以来の当館の活動に対して一定の評価を頂いた結果、お預かりできることになったもので、藤井の名を冠する美術館として非常に喜ばしいことです。本展ではこのお預かりした作品を全て展示し、皆様にご覧いただきます。
この機会に碧南市藤井達吉現代美術館の新しい作品達を、是非お楽しみください。