會田千夏(あいたちなつ)は北海道札幌市在住の画家で、主に油彩画で独特の世界を表現し、広く道内外で活動しています。
會田の描く作品を見ていると、どこか不思議な感覚を覚えます。植物の根のような、はたまた細胞がにっこり笑っているような、不思議な世界。ふわっとした何かに包まれているような、そんな感覚かもしれません。
會田の作品に描かれているものは、自身の心の奥底に住んでいる感情や気配といった存在だといいます。自分が見たり、触れたりして感じたもの、また、人や動植物、誰しもが持っているであろう原始的な感情や感覚は、言葉で表現することも、意識して見つけることもできません。そうした見えない何かを表現したら、どうなるのだろう?それが、會田の描く世界観なのかもしれません。會田が描く心の住人のように、私たちの心の中には、どんな顔をした住人が存在しているのでしょうか。
(北網圏北見文化センター 学芸員 久保昌江)