詫間町(現三豊市)生まれの小林萬吾(1870~1947)は、1896(明治29)年に開設したばかりの東京美術学校西洋画科において、フランス留学から帰国してまもない黒田清輝から学び、画家としての礎を築きます。また1911(明治44)年から1914(大正3)年までの間、自らもヨーロッパを歴遊し、印象派をはじめとするヨーロッパの近代絵画を学ぶ一方で、帰国後はヨーロッパの模倣を超えた油彩画の日本的表現をいっそう追求します。本展示では、所蔵品を通して、新しい日本の油彩画を描くことを試みた小林萬吾の絵画世界をご紹介します。 (窪美 酉嘉子)