古代中国で考え出された空想の獣・龍。古くから、雨や水に深く関係し、天に昇るなどの神性をもち、天帝の代理である天子と結びつけて考えられてきました。
その姿は、角は鹿、頭は駱駝、耳は牛、目は兎、うなじは蛇、腹は蜃(しん)(蛇に似た想像上の動物)、鱗は魚、掌(たなごころ)は虎、爪は鷹に似ているといいます。日本でも龍は水に関係した儀礼にとり入れられるほか、その姿が絵画などの美術工芸品などに多く登場してきました。
本展では、2012(平成24)年の干支「壬辰(みずのえたつ)」に合わせ、収蔵品から龍をモティーフにしたさまざまな作品をご紹介します。 (三好 賢子)