私は二歳の頃からハサミを使い始めた。
絵本を切って遊んでいたそうだ、何となく記憶にあるが、
どんな感じで切り抜いていたかは覚えていない。
子供の時の私に話しかけれるなら、何を切り抜いていたか聞いてみたい。
自由に、物にとらわれずに切り抜いていたに違いないと思う。
大人になるにつれ、正しい物の形体を理解し、
自由な切り絵を出来なくなる。
知識が増えるほどに、知識の呪縛に覆われる。
私は、アプリオリな意識を断ち切り、まだ見ぬ物へとつなげる。
その過程で、虚構のパズルを組み合わせ構築していく。
それは私の内なるidolaなのかもしれない。
(2011.11 友枝憲太郎)