雲は、風にふかれながら気ままに形を変え、光を浴びてさまざまな色に染まり、空はそんな雲によって美しく彩られます。
風景画に描かれた空にも雲が浮かんでいます。絵の中での空を彩り、その表情や絵の雰囲気をつくる重要なアイテムとなっています。ときには主役として美しい姿で描かれることもあります。
本展では、所蔵する日本画、水彩画、油彩画の中から、雲が描かれている27点の風景画を紹介します。横山大観の「霊峰不二」では、富士山の荘厳さを表すために雲が名脇役として描かれ、小堀進の作品では、千変万化する雲の美しい姿が大胆な筆致で主役として描かれています。脇役にもちょっと目を向けて、主役に目を細めて、多彩に描かれた雲たちの姿をお楽しみください。