駿府博物館は今年開館30周年を迎えますが、これを記念して近代美人画の巨匠・伊東深水の名作を集めた特別展「伊東深水展」を開催致します。
伊東深水は明治31年、東京・深川に生まれ、13歳で鏑木清方に師事し、早くから院展、文展に入選するなど頭角を現しました。以降、文展、帝展そして日展の中核メンバーとして活躍、昭和47年に74歳で亡くなるまで、日本画壇の重鎮として活躍しました。浮世絵歌川派の流れをくみながらも、現代感覚を取り入れ、艶やかで独特の画風を確立し、近代美人画に新境地を開きました。
当館は、開館当初から伊東画伯の傘美人画の秀作『吹雪』(昭和21年作)を収蔵、自慢の“秘蔵作品”として展示し、多くの来訪者を魅了してまいりました。また、国内の多くの美術館から請われて同作品を貸与、各地で好評を博しました。
当館が開館30周年を迎えるに当たり、この『吹雪』を主軸に据えて全国の関係館及び個人所蔵家から深水作品をお借りし、記念事業の「伊東深水展」を開催、県下の愛好家の期待に応えようというものです。
本展は、画伯の初期から晩年までの60年にわたる画業の中から、53作品76点の作品を選んで“深水芸術”の粋をご鑑賞いただき、その神髄に触れていただくことを目的と致します。
展覧会タイトル等から関連資料を連想検索